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キッズクラス・ジュニアクラス中高生クラス・おとなクラスサマースクール 2020.08.09
サマースクール≪日本画入門≫
サマースクール≪日本画入門≫は、アトリエぱお芸大美大受験科の日本画講師が指導します。
麻紙ボードに岩絵具で着彩する、本格的な日本画に挑戦しました。
自分で選んだ野菜や果物をモチーフに、スケッチからスタート。
日本画は線が命。細かいニュアンスも拾いながら、丁寧に描きます。
スケッチを基に下図を作り、ボードに転写します。
使うのはにじみ止めの施された日本画用のボードです。
転写された線画を墨でなぞっていきます。
これを「骨描き」といいます。
骨は体の中で大切なところ。この骨描きも、まさに絵の骨格を作る大事な工程です。
なぞるというより、新たに線を描くような気持ちでゆっくり丁寧に描きます。
骨描きが終わったところ
骨描きが終わればいよいよ彩色。
膠と顔料を使って、絵の具を作ります。
日本画の絵具は、いろんな色の岩を砕いたものと土に着色したものがあります。
岩を砕いたものは「岩絵の具」、土に着色したものは「水干絵具」または「泥絵具」といいます。
もちろん、どちらもそのままでは画面につかないので、接着剤として「膠(にかわ)」というものを使います。
膠とは動物の皮・骨・筋などを煮出した煮汁から作られる接着剤の一種です。
この接着剤は「展色材」とよび、どの絵の具にも入っているものです。
油絵具なら油、水彩絵具ならアラビアゴム、アクリル絵具ならアクリル樹脂が展色材になります。
今はほとんどの絵具がチューブに入っていますが、100年以上前は油絵具だっていちいち顔料と油を混ぜて塗っていたんですよ。
顔料と膠を皿に入れて、指で混ぜます。中指で混ぜるのが、よく力が入っていいんだそうです。
絵具と膠が良く混ざったら、水でのばして色を塗ります。
はじめに背景色を塗ります。「地塗り」といいます。
地塗りが乾いたら、いよいよモチーフの彩色です。
日本画の絵具は粒子の細かさがそれぞれ違うので、混色ができません。
何度も塗り重ねて、望む色を作っていきます。
できた作品がこちらです!!
※ 親子で参加しました。お母さんの作品(上)とお子さんの作品(下)
•骨描きに緊張した。
•指で絵具を作るのが楽しい。
•絵具を混ぜられないところが難しい。
•岩絵具で塗ったところがザラザラしていて、触っても面白い。
など、みんな初めての体験だらけでしたが、最後まで楽しんで描きました。
今回はほんの入門編でしたが、大体の描画方法がわかれば、これから日本画を鑑賞するときにも違った着眼点で見ることができそうですね。
清水麻友