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ピアノクラス 2012.10.18
ピアノレッスン日記 №149
ピアノクラスの溝尻です。こんにちは。
夏休み前にピアノを始めたAちゃん。小学3年生。
ピアノを始める年齢としては決して早い方ではありません。
「ピアノを弾けるようになりたい!」というAちゃんの熱意に、親御さんも早速楽器を購入して応援。
毎日の練習を欠かさず、まじめに取り組んでいます。
その成果は始めて2ヶ月もたたないうちに現れ始めました。
レッスンでは、オーソドックスな教則本「あたらしいピアノのおけいこ」と、アメリカの現代作曲家ギロックのピアノ初級用の曲集を組み合わせています。
「あたらしいピアノのおけいこ」は、一方の手(主に左手)が伴奏、もう一方の手(主に右手)がメロディのパターンが多い。
これには、メロディを歌うように弾く練習と、様々な形の伴奏形をメロディを活かしながら弾く練習ができるという利点があります。
しかし、この形の曲ばかりやっていると左右の手に主従関係が生じてしまい、双方を対等に演奏する、例えばバッハのような曲が苦手になってしまいます。
ギロックの曲集は、両手を対等に使ったり、右手と左手の連携でひとつのメロディを演奏したりする曲が多く含まれています。
また、ギロックの曲は初級の段階からシャープやフラットを多用するので、生徒さんのこれらに対する抵抗感・苦手意識が減ります。
このふたつの教本を組み合わせることによって、【左右両方の手を自在に動かす】【いろんな調性の曲に親しむ、慣れる】こと、それも短期間にできるようになることをもくろんでいます。
Aちゃんはそれにうまく乗ることができました。
ギロック特有の黒鍵の多い曲も、左右の手を交差させる演奏法も、興味をもって楽しそうに練習しています。
伴奏の形も様になってきました。しかし、これは今、ちょっと苦労しています。
和音を分散して演奏する(ド・ソ・ミ・ソ、ド・ラ・ファ・ラ~)に取り組んでいますが、慣れるまで意外と難しい。
左右でリズムがずれることもあるし。
私は、ひとつの教則本を最初から順番通りにレッスンに使用するというお行儀のよさにこだわらないので、Aちゃんがこの伴奏形に辟易としてきたところで順序を入れ替え。
「このあたりは今は見なかったことにして」・・これは私がよく使うフレーズなんですけど・・
異なるタイプの練習曲に取り組む事にしました。
ひとつのパターンがうまくできなくても、他の方法・パターンに取り組んでいるうちにできるようになることもあるんです。
様子をみながら、苦手なことを「小出し」にしていこうと思います。
これから寒い季節に向かうので、そろそろ、クリスマスの曲など季節感のある曲をレッスンに取り入れて行こうと思っています。
溝尻雅子