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芸大美大受験科 2021.09.16
受験科日本画実習の取り組み
受験科では直接的な入試対策のほかに、「実習」にも取り組んでいます。
「志望専攻のことをもっと知りたい」「志望が決まっていないから体験してみたい」「志望は違うけれどいろいろな技法を体験したい」とさまざまな目的で取り組みます。
その中でも毎年実施され人気のある「日本画実習」。今年は新型コロナ対策もあり、通常合同で行う昼間部と夜間部を別々で実施しました。今回は昼間部での日本画実習の取り組みをご紹介します。
日本画は何度も同じ線を描きます。
まずはスケッチで、モチーフとなる野菜や果物の形をとらえます。色鉛筆で色のイメージも固めていますね。
次に、スケッチにトレーシングペーパーを重ねて、輪郭線をなぞります。
そしてなぞった線をボードに転写します。この時点で3回描いていますね。
けれどあともう一回、今度は「骨描き(こつがき)」といって筆で輪郭を描きます。
何度も何度も描きますが、「骨」と名前につくくらいですから大事な線です。スケッチしたときの印象を忘れないようにしっかりと線を引きます。
骨描きが終わったらいよいよ着彩。
日本画の絵の具は顔料の粒を「にかわ」というのりで定着させています。顔料の粒の大きさが絵の具によって違うので、混色ができません。何度も塗り重ねて、深い色をつくっていきます。
チューブから出す絵の具と違い、顔料とにかわを自分で混ぜて作ります。みんな真剣な表情ですね……
完成した作品はこちらです!
並んだ作品の手前に、絵の具がたくさん並んでいますね。
夏の工作教室「サマースクール」でも主に小学生〜おとな対象に取り組みましたが、今回はさすがの受験生のお姉さんお兄さんたち、描写力があります。
12月に開催予定のアトリエぱおの展覧会にも出品される予定ですので、ぜひ会場で見てみてくださいね。