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芸大美大受験科ぱお展 2022.12.16
受験科「六角形のキャンバス」をつかって
藝大美大受験科の毎年恒例の「テーマ制作」。
真四角のパネル、古いレコード盤、真っ白なおきあがりこぼしだったり、表現の支持体もいろいろ、テーマも年毎にいろいろです。
今年2022年は
「六角形」のキャンバスに「めぐる」をテーマに自由に制作しなさい
という問いです。
基本は一枚のキャンバスですが、複数枚つなげても、仲間と連携して描いても良い、キャンバスを台にして立体にするも良し。
「六角形」からどんな展開があるか?
「めぐる」をどう捉え表現してくれるか?
学生たちの解を今年も楽しみにしていましたが、学生たちの作品は我々の予想を超え様々に展開しました。
意外だったのは六角形から蜂の巣のイメージで蜂をテーマにした作品が割と少なかったこと。
しかし「めぐる」の解釈は実に様々で、物理的な回転はもとより、日本や世界を周回するイメージ、思考のめぐり、1日の時の流れ、季節の移ろい、人の一生、親子の姿で生命の繋がりを表す作品など多様な生き生きとした表現がされていました。
美術系高校や美大進学の準備は、多くが目の前にあるモチーフを正確に描写する技術向上を目指します。
しかしこの課題は作者の個性や記憶に基づく普段の思考や嗜好に基づくことで、受験生とはいえ作家性が高くオリジナリティ豊かな作品を生み出す結果になりました。
それは「正解主義」とは一線を画し、より自由闊達な表現、学び続ける力としてのクリエイティビティーの高い「21世紀スキル」を育む取り組みにつながったのです。
試験本番に向けて難問に挑戦する時、修練した描写力を裏付けとして必ずこのクリエイティビイーが花開きます。
頑張るを楽しめ受験生!
加藤宇章