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キッズクラス・ジュニアクラス 2022.12.23
工作がイノベーションを生む!?
とてもおもしろい作品ができました!
ジュニアクラスのYちゃん小6のクリスマス工作です。
サンタなのになぜ「祭」?
クリスマスツリーに「魚」?
見ただけなら???の不思議な作品ですが、制作の経緯を説明すると「ああ!なるほど」と思っていただけるでしょう。
この日、彼女は途中まで普通にサンタを作っていたのです。
動きがあったのは後半、サンタ帽の白い縁に紐を貼っていた時です。
それが寿司職人のハチマキに見えたわけです。
結び目を作ってお腹には「祭」の文字。
(ス○ローなどでよく「サーモン祭」とか「寒ブリ祭」とかやってますよね)
それでお寿司を届けるサンタクロースになりました。
そうなると魚も欲しくなります。
何を作ろうかと思案しますが、そこで先週作った鏡餅を思い出すのです。
12月がサンタ、1月が鏡餅、となれば次の2月は節分。節分といえばイワシの頭を飾ります。
その場でiPadで画像検索すると、ありました!イワシの頭。
しかもなんとクリスマスにも飾る、柊の葉もついてるではありませんか!
ということで、柊もついたイワシの頭のツリーが完成し、12月、1月、2月と3ヶ月続けて飾れるセットが完成しました。
ここで大切なことは、思いついた最初のアイデアで終わりにせずに、さらに展開させまったく想定外のゴールに着地したことです。
しかもそのゴールにはスタートだったクリスマスに繋がる柊までありました。
こういうことはよくあります。
まったく違う方向に進んでいったら、一回りして原点に帰って来る。
思考を展開しながら深化させるディープシンキングは、哲学でも数学でも文学でもどんな分野でも行われる思考法です。
こういう思考の癖はどんなことにでもさらに深く追求してイノベーションを生む源になります。
ARTにはディープシンキングの力をつける効果があります。
観察画のような絵画と違い、工作はこどもの遊びのような印象をもたれがちですが、実は上記のように脳内で非常に洗練された思考をし、さらにそれを人に見えるように形にする、という高度なことをやっています。
昨今、教育界で話題のSTEAM教育。
理系科目(Science、Technology、Engineering、Mathematics)にARTが加わっているのは、これらのすべての土台にART思考があるからです。
描く、作るとは極めてクリエイティブな行為であり、高度な思考の訓練でもあるのです。
お子様がなんだか良くわからない作品を作ってきたらチャンスです。
大人の常識や思考では理解できないからと一笑に伏すのではなく、いろいろと質問してあげてください。
こういう結果に導いた思考のプロセスを聞き出してあげましょう。
きっとYちゃんの作品のように、そこにはきちんとした思考の流れがあるはずです。
結果だけではなく過程をも大事にしてほしいのは大人でも同じですよね。
浅原裕貴