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イラスト:絵具と人物

キッズクラス・ジュニアクラス中高生クラス・おとなクラス芸大美大受験科 2023.03.08

美大紹介(専攻別) その1 デザイン科編

進学を考える際、「学部・学科・専攻をどうするか」というのは重要ですよね。

特に美術系の場合は専攻の特性は入試問題に直結しており、対策課題が全く異なります。
そこで何回かに分けて、各専攻について簡単に説明します。

まず最初はデザイン科。


非常に人気があり美大の定員の相当のウェートを占めています。

日本の若者は普段から漫画・アニメ・ゲームにふれる機会が多く「それらに近い分野はなんだろう?」と考えた際にデザイン科が思い浮かぶようですね。

(実はそうでないことも多いのですが、後述します)


保護者からも、「美術系で就職といったらデザイン会社とか?」という発想から勧める場合が多いようです。
でも、「何のデザインをしたいの?」と尋ねると、首を傾げる子がそれなりにいます。

私たちの暮らしの身の周りにある物のほとんどは誰かがデザインしています。

華やかなポスターやテレビCMから、家具、クルマ、雑貨、WEBサイト、普段の授業で使うボールペンまで。
物事の仕組みをデザインする役割の人もいます。


グッドデザイン賞という賞があります。

公益財団法人日本デザイン振興会が運営し、毎年優れたデザインに贈られる賞ですが、その受賞作品を見るだけでも、非常に多様な「デザイン」が選ばれていることがわかります。

こちらをご覧ください。 

グッドデザイン賞webサイト  https://www.g-mark.org/

 

では美術系大学においてはどんなデザイン科があるの?となると大まかに3つに分けられます。(分類方法はいろいろあり、一例です)


グラフィックデザイン
ポスターやCMなど、デザインの花形といってもいいのではないでしょうか。

「デザイン」と聞いて一番に思い浮かぶのがこの分野だと思います。

パッケージデザインや書籍のデザインなど「見た目」のデザイン全般と捉えればわかりやすいでしょうか。

最近ではwebデザインなども相当しますね。

日本の代表的なデザイナーは亀倉雄策、1964年の東京オリンピックのポスターでも知られています。
紙面のデザインのイメージからか、この分野をイラストや漫画でイメージする人が多いようですが、どちらかというと「イラスト」「漫画」そのものよりそれらを使った紙面づくり・レイアウトの仕事すると思った方が良いでしょう。

 

 


プロダクトデザイン
製品デザインとも言い換えられます。物を使いやすくデザインします。

文房具から家具や車まで、「もの」ならなんでも相当します。

日本の代表的なデザイナーは榮久庵憲司、キッコーマンのあの醤油瓶が有名ですね。

この人は広島で育った人なんですよ。

 

 


環境デザイン/建築デザイン
ここでは広義の環境デザインとしてまとめています。

建築や都市デザイン、公園、店舗など、さまざまな空間をデザインする分野です。

インテリアデザインを含むこともあります。(インテリアデザインはプロダクトの分野に入ることもあります)
上記のようにかなり分野が広いため、代表的な人として建築家を紹介しますね。

黒川紀章は今春リニューアルオープンする広島市現代美術館の建物を設計した人です。

また国立代々木競技場を設計した丹下健三は広島の平和記念公園のデザインを担当しています。

 

 

自分はなんのデザインに興味があるんだろう?と思ったら、デザイナーの作品を調べてみるのがいいと思います。

大学の教授もデザイナーであることが多いです。

教授の作品を知れば、大学でどういうことができるのかわかるかも知れませんね。


今回紹介したのは誰でも知っている「もの」のデザイナーや広島にゆかりのあるデザイナーでしたが、もちろんこの人たちは数多いデザイナーのほんの一部。

現在でも活躍している色々なデザイナーがいますので、興味が湧いたらぜひ調べてみてくださいね。

 

デザイン科の入試はどんなものかは次回お話ししますね。