Blog
プチクラスキッズクラス・ジュニアクラス 2023.04.02
「アナログとデジタル」
こんにちは。こどもクラス主任の浅原です。
アトリエぱおでは2022年から本格的にiPadをつかった「デジタルアート」のプログラムをはじめました。
小学校でも一人1台のタブレットを使うようになりましたので、ぱおっ子たちにも一人1台のiPadをつかって「デジタルアート」を体験してもらっています。
まだ自分のスマホを持っていない子がほとんどの小学生たちは、この「デジタルアート」のプログラムが大好きです。
いつもは賑やかなクラスも「シーン」として作業に没頭しています。
アトリエぱおで大事にしていることは「アナログとデジタルの両方を体験する」ことです。
土をこねて器を作る「陶芸」や、身近な材料で絵を描くことのような太古の昔から人間が行っているプリミティブな創作から、デジタル端末をつかった最新の創作までを体験するということです。
そして、同じようなものがアナログでもデジタルでも作れることを経験してもらいたいのです。
実は「元々アナログでやっていたことをデジタルに置き換えてやっている」というものがたくさんあるからです。
そうすれば手作りのアナログの良さも、便利なデジタルの良さもどちらも知ることができます。
その上でどちらが好きかは本人次第です。
ここで大事なのは、
「デジタルは簡単にできる代わりに驚きがないが、アナログはひとつひとつに驚きと発見があること」です。
そのことを2022年度にこどもクラスで取り組んだプログラムで説明します。
1学期に取り組んだ「絵の具でモンスター」は絵の具のにじみのような表現ができるデジタルペイントアプリを使って描きましたが、同時に本物の絵の具と筆でも描きました。
できあがる作品は同じようなものができますが、アプローチの仕方が全く違います。
デジタルで作る「にじみ」には必然性がなく、なぜ色が滲んで広がっていくのかには疑問を持ちません。
アプリが勝手にやっているだけです。
アプリのスライダーを動かして数値を5から80に上げればもっとたくさんにじむようになります。
しかし、絵の具や筆の場合は違います。
なぜにじむのか。それは水分が多いからです。
絵の具に混ぜる水の量を減らすとにじまなくなります。スライダーの数値は水の量だったのです。
疑問に対する答えは実践で見つけることができます。
これがこどもたちにとってはとても大切なことだと思います。
2学期には「デジタルコラージュ」に取り組みました。
コラージュとは絵や写真を切って台紙にのりで貼って作る絵のことです。
「デジタルコラージュ」は、iPadで撮影した画像やサンプル画像を切り取って貼り付けて作るコラージュ作品でした。
画像合成とも言います。
このレッスンの直前には「森のコラージュ画」というプログラムで、アナログのコラージュ画に取り組みました。
絵の具で塗った色紙をハサミで切って貼って制作しました。
それだけでなく、デジタルコラージュでは「レイヤー」というものが重要になるのでそのレイヤーの概念を知ってもらうために「レイヤーアート」に取り組みました。
これは「透明フィルムに絵を描いて、それらを重ねることで1枚の風景画を制作する」というプログラムです。一番下の紙には一番遠い「空」。
2番目のフィルムには遠くの景色の山や草原、いちばん上のフィルムにはその手前にいる動物などを描きます。ここで使う透明フィルムとレイヤーは同じ役目です。
実際に手で触れる透明のフィルムを使うことで、「レイヤー」とはデジタルの透明フィルムである、ということを体験で理解してもらいました。
さて総決算となる3学期には何をするかというと、アナログとデジタルの両方でアニメーションを作りました。
これが一番面白いのですが、長くなりましたのでこれについては次回でお話しします。
浅原