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イラスト:リンゴ

イラスト:絵具と人物

中高生クラス・おとなクラス 2024.06.15

中高生クラス 陶芸実習3「呉須絵付け」編

中高生クラス「陶芸実習」

成形と削りを行った作品の素焼きが終わり、今回は呉須(ごす)で絵付けを施します。

 

 

成形編はこちら https://a-pao.com/33588/

削り編はこちら https://a-pao.com/33594/


「下絵付け」という、素地(きじ)に直接描いてから釉薬をかけて焼成する技法です。
釉薬にはたくさんの種類がありますが、今回の釉薬は石灰釉といって本焼き後に透明のガラス質になるもの。

器の表面に薄いガラス質の皮膜をつくるので、器の強度が上がり、水分が染み込まず汚れからも守ってくれます。
どの釉薬も植物の灰や粉状にした長石・珪石を水に混ぜて使います。

素焼きの素地が水分を吸い取る作用を利用して釉薬掛けをします。

その時に、素地にホコリや素焼き屑がついていると釉薬がうまくかかりません。
ですから、まずは濡らして絞ったスポンジで素地の表面についたホコリをよく拭き取ります。

 

次に、塗っているのは青い「撥水剤」。

主に高台(こうだい)に、釉薬の付着を防ぐための撥水材を塗ります。

 

 

高台に釉薬がかかると、窯の中で焼成し高温になった際に高台の表面で釉薬が溶けガラス質になって、「棚板」にくっついてしまうので、それを防ぐのです。

それから、鉛筆で下書きし、絵付け本番。


呉須は授業直前に乳鉢ですったばかりですが、これも粉状の酸化コバルトやマンガンを水分に溶いたものなのですぐに沈殿します。
容器の底を筆で触るようにして呉須をとり、素地に絵を描いていきます。
呉須の量が少ないと、色が焼きとんでしまってなにも描いてないかのようになってしまうし、逆に呉須の量が多いと焼成中に釉薬を弾いてしまいます。
初めてのことで想像力を働かせながらの絵付けです。

 


また、描いた上から手で触ると簡単に擦れてしまいますから、本当に慎重に気をつけながらの制作です。

 

完成!

 


釉ハガレを起こさないで焼けますように….焼き上がりをお楽しみに! 

 

溝尻奏子 中高生クラス陶芸実習担当