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芸大美大受験科ぱお展 2024.10.20
芸大美大美術系高校受験科 ぱお展テーマ制作!
こんにちは! 受験科講師の青山です!
受験科では今、普段の受験科課題と並行して、来る「ぱお展」(アトリエぱおに集うみんなの展覧会)に向けてテーマ制作を準備しています。
ぱお展については、今年からアトリエぱおに参加している私としては初めてのことなので展示会場を見に行ったり、過去の資料を見たりして少しずつ規模感が掴めている状態なのですが、先輩講師に話を聞いてみるとあまりの大変さに及び腰になりそうな毎日です。
受験科はまだしも、キッズクラスの方になると何千もの・・・ブルブルブル……。
先輩たちのぱお展について話す時にこちらを向いてニヤリとした微笑みが何を物語っているのか、まだ本当の意味で理解できてない私ですが、私は私のできることを日々淡々とこなしていかなくてはいけません。
受験科では例年個人個人の作品を展示するのと併せて「テーマ制作」というものを行っていて、その年ごとにテーマを決め、受験科生徒みんなで作品を作るのです。
総勢100名近くになる生徒たちにスケジュールを伝え、ポイントごとに締切を作り、確認、チェックの日々を過ごしています。
生徒たちの作ろうとする計画書を見せてもらうと、それぞれ予想もつかないような角度からパンチを浴びるようで、計画書の段階でどのようなことをやりたいか話を聞いて興味深く見させてもらっています。
今日はその進捗具合を少しだけお話ししてみようと思います。
写真に写っているのは今年のぱお展の支持体になるパネルです。
普通パネルはベニヤ板でできていますが、そこにアクリル系の下地材のジェッソというものを塗りまして支持体にします。
テーマ制作は集合体で一つの作品になりますので最低限の共通項を用意しているのですが(詳しくはまた後日)、画材や表現方法は生徒個人個人に任せてあります。
油絵の具やアクリル絵の具で描きたいという生徒もいますが、直接油絵の具をベニヤ板に塗ってしまうと油が板に浸透してしまい、油絵の具独自のテクスチャーや艶感が損なわれます。
また、生木色のベニヤ板に直接絵の具を載せるのでは色調の調整がいつものキャンバスのようにはすんなりといきません。
そこでこうして白い下地材を塗ってから自由に描いてもらおうとしているわけですね。
絵の具は油絵の具もアクリル絵の具も、パステルもクレヨンも。基本なんでもおまかせです。
この画材を使ってみたい! という生徒自身の発想を出来るだけ止めないようにと考えました。
透明水彩絵の具で紙に描きたい場合はこのパネルに紙を水張りします。
下地材を塗って乾かしている間、生徒たちはあれこれどんなものを描こうか考えています。
よくある美術系予備校と違い、アトリエぱおでは生徒一人ひとりに合わせた受講システムを取り入れているため、毎日決まった生徒が来るわけではありません。
生徒が学校の試験や行事に併せてぱおに来やすいスケジューリングを自分自身で管理し、課題を制作していきます。
今週と来週は試験期間だからぱおはお休みして、その代わり試験後に振り替えて集中して絵を描く時間を作るぞ!といったことも思うがままです!
これは、生徒さんからいただいた授業料を出来るだけ無駄なく使い切ってほしい!休んでしまっても取り残されることなくキチンと受験までのペースをそれぞれの生徒に併せて作りたい!という思いから生まれたシステムです。
課題管理はとても大変ですが、生徒一人ひとりに合わせた受験スタイルがある!とスタッフ一同力を合わせて頑張ってい……と、少々熱くなってしまいました。
しかし、大学に入っても大学を出ても、クリエイティブな仕事は誰かに管理された中では生まれてきません。自分のペースをしっかり掴み、無理ない範囲で最大限につくりたいものをつくっていく。
そういう姿勢をこうした共同制作の中からも掴んでいってほしいと願っています。
ぱおでは当たり前の自主独立の精神を普段から当たり前に育てている生徒たちは、それぞれのペースで作品をつくっています。
実はすでに完成させてる生徒もいます。
写真の通り今はまだ白く塗られただけのパネルの集合体ですが、ぱお展の時には色とりどりの作品になると思いますので、ぜひ楽しみにしていてくださいね!!
青山仁久 芸大美大美術系高校受験科担当