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アトリエぱおとはBlog

イラスト:リンゴ

イラスト:絵具と人物

プチクラスキッズクラス・ジュニアクラス会員さんへのお知らせ 2025.02.21

抽象作品との向き合い方

こんにちは齊藤です。
2025年3学期、アトリエぱおでは抽象表現でいくつかの作品を制作しています。

子ども達が持ち帰った作品を前に、どう反応してよいか戸惑う保護者も少なからずいらっしゃるかもしれません。

今日は抽象作品との向き合い方について、少しお話しますね。

 

私たちの身の回りには「音」「味」「匂い」そして「感情」など、目には見えないけれど確実に存在するものがたくさんあります。
抽象作品とはそうした形にならないものを表現したもので、形=外見の再現という制約から外れているため、個人的な感覚を自由に表現することが可能となります。

抽象作品は、自分の感じたことや内面を深く掘り下げて「目に見えないなにか」を視覚化します。

一方で、偶然にできた形に触発されて、わたしたちの何かしらの感情が呼び覚まされます。

制作中は常に内側の感覚を感じながら手を動かしているため、完成するまでは本人でさえもどのような作品になるのかわかりません。

観察画や風景画のような目の前に答えのあるわかりやすいモチーフを表現した作品と違い、鑑賞者にとっては理解が困難に感じることも少なくありません。

が、色、形、筆のタッチすべてが作者の選択の積み重ねであり、「写実」とは違って他者とは同じになりません。

つまり作者そのものが現れており「作品=今の作者自身」となります。それだけに、子ども達が持ち帰った作品に対する保護者の反応はとても重要です。

「何を作ったのかわからん」(抽象なので当然ですが)など作品の否定になるような発話は決してせず、まずは作者の想いー制作しながら葛藤も含めてーを受け止めてください。

そして、
「どんなふうに作ったの?」=プロセス


「どの部分が好き?」=作者のお気に入り


「どこを一生懸命作ったの?」=興味関心や困難の解決


「作っているときどんな気分だった?」「楽しくできた? 」=造形・創作への関心や新しい経験への不安やチャレンジと達成感など、

ぜひ興味を持って話を聞いてあげてくださいね。
そして感動的なエピソードがあればぜひ私達にも教えてくださいね。