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アトリエぱおとはBlog

イラスト:リンゴ

イラスト:絵具と人物

芸大美大受験科 2025.05.26

取材実習 芸大美大受験科

こんにちは。受験科講師の青山です。
芸大美大受験科では5月中旬に白島校で実習を行いました。
実習の名前は「取材実習」

昨年に引き続き2年目の実習です。

昨年の様子はこちらのブログをご覧ください。https://a-pao.com/33880/)


雨が心配される中、なんとか朝には晴れ間も見え、結果的には暑すぎず、雨に濡れることもない、とても良い実習日になりました。


この実習は読んで字の如く、アトリエを飛び出して、野外で自分で描きたいものを見つけ描画する実習です。
普段アトリエの中だけで制作を続けていると、「制作することは屋内でするもの」みたいな習慣が強くなっていきます。
もちろん、実際の入学試験では屋外で描くということはとても少ないのですが、過去の試験では実際に取材したものをもとに絵画制作ということをする大学もありました。

そう、東京芸大の油画専攻ですね。
ただ、これは奇をてらった課題ということでもないのです。

実際に作家として作品を作るようになっていくときに「自分で描く対象を見つけどのように捉えるか」というのは、実はとても重要なことなのです。


季節は春。

いろいろな植物が一斉に芽吹きぐんぐんと成長していく力強い季節ということもあって、今回の取材実習では植物に焦点を当てて取材していくように説明しました。

アトリエぱおにはすばらしい植物図鑑*があります。

実習参加者のみんなはその図鑑を見てワクワクしているようでした。

  *『FLORA 図鑑 植物の世界』
  スミソニアン協会・キュー王立植物園/監修 塚谷裕一/日本語版監修
  東京書籍刊

  

 


熱中症にならないように水分を十分に用意して描画材を吟味して、皆で近くの河川敷緑地帯に出かけます。
果てしなく広いので描く範囲を限定し、思い思いの場所に移動して早速スケッチブックを広げていました。

 

 

 


昼食はせっかくなのでみんな集まって食べてピクニックのよう。

己斐本校と白島校であまり会わない人同士でも打ち解けてとてもよかったです。


昼休憩時には午前に描いたものをみんなでかるく見て話をして、午後はまたそれぞれ午前の反省を踏まえて新しい作品を描いていました。

 

 

川を渡ってくる風がとても気持ちよかったです。


時間いっぱい描いた後、アトリエに戻って講評しました。
植物に着眼点を持たせても、みなそれぞれの視点や描きたいものが違い、それぞれ自分のパーソナルな部分に気づく一つのきっかけになったのではないでしょうか。

 

並べた時のバリエーションに、わたしはとても嬉しくなりました。
これからも、実習ではなくとも普段から外に出かけて気になるものを一生懸命描いていってほしいです。

 

青山仁久