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キッズクラス・ジュニアクラス中高生クラス・おとなクラス 2026.05.29
ぱおオリジナルプログラム「セザンヌ流絵画」に寄せて

セザンヌ流絵画
GWワークショッププログラムのセザンヌ流絵画についてです。
「風」ではありません。「流」です。
セザンヌみたいな絵を描くのではなく、セザンヌの思想と実践を踏襲するのです。
なんちゃってではなく、セザンヌに弟子入りするというのが正しいです。
裏テーマは「打倒AI」です。
生成AIというのは大変便利なものです。
これまで人間がコツコツと長い時間をかけて作っていたものを、
指示を出すだけでほんの数秒で完成させてしまいます。
うまく使えば人間は圧倒的な生産性を得ることができます。
しかし、これは大きな問題でもあります。
なぜかというと生成AIには「はじめとおわり」しかないからです。
その間の「過程」がごっそりと抜けているのです。
どのように考えてどのように進めたのかという過程がまったく見えません。
教育というものはそれとは真逆です。
「はじめとおわり」はもちろん大切ですが、その過程がより重要なのです。 発展途上のただなかのこどもたちに必要なのは、
このAIでは見ることができない過程のところです。
どのように考えるのか、どのように進めるのか、
右か左か上か下か、行き止まりにぶつかったらどうするのか?
社会にでる前に、この試行錯誤と実験と失敗、
そして失敗からのリカバリーをたくさん経験しておくこと。
これが「教育の目的」です。
それを体験してもらうのが「セザンヌ流絵画」です。
ですから、いつもの絵のプログラムとは進め方がまったく違います。
長くなるのでプログラムの冒頭だけを紹介します。
絵を描くモチーフは自分で選びます。そして自分で組みます。
これを「構図を決める」といいます。 いつもならこの時間は3分くらいですが、今回は15分とっています!
鉛筆を持つまでに15分もかかるのです。 スケール(構図を決めるための、のぞき窓)をのぞきながら、
ものの場所や布の折り方を調整して
「キャンバスの四角に収まる最もかっこいい構図」を探します。
セザンヌは構図に徹底的に時間をかけ、考えに考えて構図を決めたのです。
セザンヌは西洋美術史の流派に分けると、印象派(後期)に入ります。
同じ画家としてはモネやマネ、ルノワールなど日本でも人気の画家が並びます。
実はセザンヌは他の画家に比べて描写が巧みではなかったので、
どれだけ一生懸命描いても彼らのようには描けません。
そこで彼は考えました。 「自分にしかできない新しい描き方を見つけよう」と。
セザンヌは大変な努力家でした。
どれだけでも時間をかけることができました。
そこで彼は「考えに考えて描く描き方」を編み出しました。 それがどれだけ進歩的だったか。
その描き方に影響を受けたピカソやブラックはキュビズムという新たな表現を生み出し、
マティスやカンディンスキー、クレーたちは抽象絵画を生み出しました。
まさに彼は20世紀美術の流れを生み出したのです。
セザンヌがいなければピカソもマティスも生まれなかったのです。
「考えに考えて描く」新しい美術の道を切り拓いたセザンヌの画法を体験することは、
生成AIが台頭しはじめ、考えることをしなくなりはじめた今だからこそ、
意味のあることだと考えます。
過程を大切にしたプログラムであるにもかかわらず、完成した作品はどれもとても素晴らしく、
ちゃんと結果もでていることには私は驚きました。
「新しい世界は若者が切り開く」。
こどもたちは初めて体験するセザンヌ流の描き方を、
試行錯誤、四苦八苦しながらしっかりと自分のものにしていきましたよ。
さすが、ぱおっ子たち!
浅原









