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ピアノクラス 2014.01.17

ピアノレッスン日記 №166

私の敬愛する作曲家 平吉毅州(ひらよし たけくに 1936年-1998年)
合唱曲を多く手掛け、晩年はこどものためのピアノ曲に力を入れていました。
彼の作曲した児童合唱曲「気球にのってどこまでも」は、小学校で歌った経験をお持ちの方もあるかもしれませんね。

私はピアノを教え始めた四半世紀前に、平吉毅州作曲のピアノ曲集「虹のリズム」(カワイ出版)に出会いました。
こどもたちが十分に弾ける曲でありながら芸術性をも備えた曲の素晴らしさに感銘を受け、同じくカワイ出版から出版された「南の風」や、クレヨンハウスの月刊誌「音楽広場」に連載された小品とともに、平吉毅州のピアノ曲は私にとって大切なものとなりました。
ピアノクラスの生徒は必ず彼の曲を練習します。
そして発表会でもたびたび取り上げています。

これらの曲集には「こどものための」という副題が付いていますが、指の短いこどもたちが弾けるようにという技法上の制約がある中でも、芸術的な妥協はしないという作曲家としての矜持を感じます。
バイエル、メトードローズ世代にとって、こんなに素敵な曲でレッスンできる今の子どもたちがとても羨ましい!
私の時代にこういう曲集があったら、きっと、もっともっとピアノが好きになっていただろうなと思います。

平吉毅州は早く亡くなったために、そして彼がピアノ曲に力を入れ始めたのが遅かったために、ピアノ曲があまり残されていないのがとても残念です。
数少ないこれらの曲を、貴重な財産として後世につないでいきたい。
大切に大切に、レッスンでとりあげて、こどもたちの心を豊かに育みたい。そのように思います。
ピアノクラス 溝尻雅子