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キッズクラス・ジュニアクラスサマースクール 2020.09.08
サマースクール≪憧れの油絵に挑戦≫完成編
さてさて、サマースクールプログラム「憧れの油絵に挑戦」レポートの後編です。
この「憧れの油絵に挑戦」は合計5時間のプログラムですが、前編、後編の2日にわたっての制作となります。
これは、油絵の具という画材は乾くのに数日かかるため、乾燥待ちのために1週間空けて後編となります。
前編では、基調となる色を選んでその色の濃淡だけで描いていきました。
これが下地となります。
後編は、この下地の上に具体的なモチーフの色を塗り重ねていきます。
ですから、後編では色数がぐっと増えていきます。
また、絵の具の厚みもだんだんと厚くしていきますので、
油絵特有のねっとりとした画面に変わっていきます。
完成に向かうにつれて画面の油分を増やしていくのがポイントです。
これによって画面は堅牢性を増していきます。
ここでうまく下地の色を生かしながら塗るのがポイントです。
下地で明暗のバランスはすでにつけてあるので、1色塗っただけでも立体感が出てきます。
ここで、分厚く塗ったり、薄く塗ったり、かすらせたり、削ったりなど筆遣いのバリエーションを増やしていくことで、画面はより表情豊かになっていきます。
このあたりまでくると、1筆入れるごとに完成度が上がってくるのがわかります。
あとは、果物のヘタや、瓶のラベルなどの細部を描くことでリアリティを出していきます。
油絵の具はとても扱いにくい画材ですが、
じっくりと腰を据えて時間をかけて制作すると、その醍醐味がわかってきます。
そして600年以上続く歴史の厚みの一端を感じることができると思います。
先人たちはなぜこんな扱いにくい画材をずっと使い続けてきたんだろう?
その答えがほんの少しだけわかった夏だったのではないでしょうか?
これから迎える芸術の秋。せひまた油絵を描いてみましょうね。
浅原裕貴