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2013年以前の記事 2012.08.26
油絵(個別コメント)
お盆をすぎて少し朝晩の涼しさが感じられるようになり、確実に秋に向かっているのだと言い聞かせている粕谷です。
夏の工作教室での「油彩画」受講者作品の個別コメントです。皆さんの作品は乾燥棚にてお預かりしていますので、夏休み中に引き取りにくる人は忘れずにね。
Sさんの作品
初めて扱う油絵の具に振る舞わされることなく、モチーフをとても丁寧に描写する姿勢が強く感じられ好感がもてます。暗さを強調しすぎず柔らかな光の中にモチーフを存在させており、作者のまじめで優しい気持ちが画面から伝わってきます。
Knさんの作品
数あるモチーフから主役を選び、落ち着いた色調で独自の空気感が漂う作品です。ナイフを使っての背景処理や蚊とりのディテール描写にしつこくこだわった姿勢は、表現者としてとても大切なことですね。
Khさんの作品
作者の制作時のまなざしは活き活きとしてました。一筆一筆に絵の具の素材感やキャンバスの抵抗感を感じ楽しんでいましたね。一枚の絵を描くことでも多くの感情が生まれ、育っていくような時間を感じさせてくれました。
Oくんの作品
主役のすいかの立体感を意識した緑の色調や縦縞模様がみごとです。本人独自の青い輪郭線があることでOくんの視点や気持ちを感じることができ、この絵の世界に入りやすいですね。色合いも響き合っていますね。
Kaさんの作品
数年続けて油彩画に取り組むKさん。台上に2個あるスイカを唯一描いた彼女は、画面の奥行きを意識し手前の瓶から奥のすいかまでを入れるすばらしい構図です。計画的に進めていく姿勢からは、更に大きな作品等への期待もふくらみます。
Tさんの作品
真ん中にどっしりと描かれたすいかは、下地の赤との色の響き合いもいいですが、それ以上に色味と絵の具の物質感が重量感たっぷりですね!布のドットと独自に構成した背景が主役のすいかを演出しておりすばらしいです。
Sくんの作品
色の響き合い、大きな貝を主役にした画面の構図はばっちりと決まっていますね。サインも絶妙です!作者の穏やかな人柄が伺える作品です。眺めているとゆったりした心地にさせてくれます。
Uくんの作品
油彩画をこれまで数点描いているだけあり、制作の進行に技があります。背景に残る下地でたっぷりと塗り込んだ暖色が画面全体を強いものにしています。主役となる金魚鉢の金魚や水草の描写も絵の具や筆の扱いのうまさを感じます。
Koくんの作品
下地づくりからとても勢いのある筆さばきで、作者の絵描くことへのこだわりを感じました。手を絵の具まみれにしながらも納得いくまでやり直す姿勢は、驚きと嬉しさを感じさせてくれました。がんばりましたね!
Mkさんの作品
自分なりのものづくりの面白さを知っている彼女は、どう絵づくりしていくかを探りながら描いていました。表現者としてとても大切なことです。まるで鏡のように画面と向き合う彼女の姿勢からは表面的なものだけではないアートの奥深さを感じました。
Myさんの作品
色彩の鮮やかさと筆やナイフでの画面へのぶつかり具合が、そのまま迫力のある作品になっていますね。絵を描くことを作者が楽しんで、思い切って画面にぶつけている様子が感じられ、見ていて嬉しくなる作品です。
以上、担当した私なりに制作時を振り返り、画面を見て感じたことをコメントさせて頂きました。
子どもたちの夏休みもあとわずか、宿題がんばる本人も傍らで励ますお家の方もがんばって〜!