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会員さんへのお知らせ 2023.08.25
こどもクラスのレッスン「家族の繋がり」について
【子どもクラスの会員の皆様、保護者様へ】
8月初めに「家族の繋がり」についてアンケートと写真の収集をお願いしました。進行具合はいかがでしょうか?
会員さんよりいくつか質問などもいただき、説明不足だったところがあったと思い、補足させていただきます。
<写真について>
・お子様と同じくらいの年齢の写真がなければできるだけ近い年齢で構いません。またそれもなければ、今の姿でも構いません。3代が無理なら、本人とご両親、本人と兄弟などでも構いません。
・家族の定義は下に記します。血の繋がりはなくても構いません。
<インタビューについて>
・似ているところ、共通点を見つけるためのインタビューです。項目は増やしても大丈夫です。
・本人にインタビューできなければ、その方をよく知っている人に聞くのでも大丈夫です。どちらも用意できなかった場合(持ってくるのを忘れた)は、お子様本人の写真とお子様自身のインタビューで制作します。
家族について調べなくてはいけない、ということに対して負担に感じたり、乗り気でない方もいらっしゃったのではないかと思います。気分を害されたのであればお詫びいたします。
皆さんに家族のことを尋ねる前にまずは私、浅原裕貴(こどもクラス主任)のことをお話しするべきだったと思い、私の家族についてのお話をさせていただきます。
私は一昨年の夏に母を亡くしました。これまであまり親しくしてこなかった父や兄、そして母の兄弟の叔父や叔母と通夜や葬儀、初七日など、長い時間を過ごしました。
そのときに、母の子どもの頃の話や、父と結婚する前のまだ若い頃の話し、私が生まれてまだ小さかった頃の話しなど、たくさんの話を聞き、それまでとは違った親しみを母に感じました。
また、父や母、叔父、叔母たちに対してもこれまで以上に親しみを感じました。
私は兄と2人兄弟です。男同士の兄弟ですので普段はほとんど交流はありませんし、何年も会ってなかったりもしました。また父ともうまく付き合うことができていませんでした(男同士の親子はそんな感じですよね)
ですが、母の死によりバラバラだったこの3人が繋がったように感じました。やっぱり家族とは母が中心なのですね。その中心を失ったことでガタガタになりましたが、なんとか結束して持ち直しました。ちゃんとしないと母に怒られる、と思ったからです。
3人で母の話をたくさんしました。家族として過ごした十数年という時間はすごいことだなと、感じました。
あの時あんなことあったね、というと、あああったね、とすぐに返事が返ってきます。
同じ家の中で同じ時間を過ごしてきた人間同士だからこそできる会話です。
私にも妻やこどもの家族はいますが、残念ながら彼女たちではこうはいきません。
当然です。彼女たちは母と同じところで同じ時間を十数年過ごしていないのですから。
なので父と兄と3人で話せることがすごく嬉しく感じました。自分と同じように話ができる人がいることがありがたく感じました。
今回は「家族の繋がり」をテーマにしています。
「家族」という言葉を調べると、夫婦や親子という関係を中心とする近親者によって構成され、相互の感情的な絆に基づいて、日常生活を共同に営む小集団のこと。とあります。
また、親族、身内という意味だけでなく、一族、一門、なども家族に入ります。落語家などは「桂一門」などと呼ばれますし、映画「ゴッドファーザー」ではアメリカのマフィアたちが自分たちを「ファミリー」と呼んでいました。
血のつながりだけではなく、心のつながりがあれば「家族」といってもいいのではないかと思います。「相互の感情的な絆に基づいて、日常生活を共同に営む小集団」と考えれば、血の繋がりがなくても十分に家族と呼べるはずですし、相互の感情的な絆があればペットであっても家族と呼べるのではないでしょうか?
インタビューは、その人のことをよく知るという目的のために行います。親しいからよく知っているつもりでも、いざ聞いてみると意外な一面が見つかるはずです。
また、同居していない家族なら尚のことインタビューすることで、親しくなるきっかけとなってくれればと思っています。私の母のように、もう故人となっていたり、遠方にいたりして会えない場合は、その方をよく知っている人にお話を聞くのも良いと思います。
私も母については、父や叔父、叔母に話を聞いてみようと思っています。私は母についてよく知るのは亡くなった後となってしまいましたが、生きている間に聞くことができたら、もっと仲良くなれたかもしれません。
血の繋がりがなくても、同じ家で一緒に暮らしていれば人はだんだんと似てくるものです。
夫婦はそもそも他人同士ですが、長年連れ添っていると似てくるというのはよく聞く話です。
小津安二郎監督の「東京物語」や、是枝裕和監督の「そして父になる」「万引き家族」などの映画でも、血の繋がりなのか、家族の繋がりなのか、をテーマに描いています。これは人間の永遠の悩みなのかもしれません。
人は自分と好みや趣味、特技などが似ている人に親近感を覚えます。作品の中にはそのような共通するものをたくさん入れたいと思っています。
同じ好きなものを作ったり、その人の顔に似せて作るために写真をよく見たり、しっかりと顔を思い出したりすることで、子供達には「家族」というものを考えるきっかけとなって欲しいと思っています。
10年後にこの作品を見た時に、何を思うのでしょうか?とても楽しみです。
こどもクラス主任 浅原裕貴