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アトリエぱおとはBlog

イラスト:リンゴ

イラスト:絵具と人物

中高生クラス・おとなクラス芸大美大受験科 2024.03.19

美術館鑑賞ツアー ひろしま美術館に行きました

こんにちは。受験科とおとなクラスを担当している青山です。
先日のこと、ひろしま美術館にてコレクション展『水辺の風景』を受験科生徒の皆さん、おとなクラスの皆さんと一緒に鑑賞してきました。

 

あいにくの空模様で、開館時間の9:00にはポツポツと小雨がぱらつき始める天候でしたが、総勢11名でのツアーでした。

美術館の入口で軒先を借りながら今日のツアーの目的を説明します。


「皆さんは普段美術館に行った時に絵画をどんな風に見ていますか?」


もちろん人それぞれの見方があっていいのですが、美術大学を目指す学生としては一段深いところまで観察・思考して鑑賞してほしいと考えています。

アトリエに来てデッサンする。油絵を描く。平面構成をする。
もちろん志望する大学の求めるレベルに向けて技量をあげていきたいわけですけれども、美術館にはその到達点と言うべき巨匠たちの名画が所狭しと並んでいます。
非常に優れた教師が雄弁ながらも無言で鎮座しています。
その解釈の入り口をこうしたツアーでできたらいいなと考えました。


まず私が取り上げた絵を1点プリントで渡し、構図や明暗の仕組み、描写具合やマチエール(絵肌)など多角的に解説します。
様々な構成要素が複雑にからまって一枚の絵が成り立っていることを伝えます。
絵画を見た時に思う「なんかいいな」が、具体的な解釈の方法を持ってみるとなるほどと納得できることが出てきます。


では普段の自分の構成デッサンや油絵にはそれができているか。

自分が描いている絵と何が違うのか。
絵を観るときの思考を深め自分の制作に還元してもらえるといいなと思います。

 

 

これらの説明の後、実物を見る大切さを伝えて館内に入り、実際の絵を観察します。

普段何気なく通り過ぎてしまうかもしれない絵の中にも発見があったのか、近くに寄ってみたり遠くに離れて眺めたりいろいろな鑑賞方法が生まれてきました。
その後は各自自由に見て回り、決めた時間に再集合して、自分が気に入った、もしくは気になった作品についてプレゼンをしました。
しとしと降る雨の中、回廊になっている美術館の軒下でプレゼン大会が始まりました。
展示してある作品はひろしま美術館の収蔵作品なので撮影が許可されています。
自分が見つけてきた絵をみんなに見せながら、

「ここがこんな風に描かれていておもしろい。」

「この構図はなんでこうなるのか。」

などと、皆さん思い思いに気づいた点や気になった点、自分が見た見方を披露してくれました。


一言でもいいよ、と始めたプレゼンはそれぞれ熱を帯びて予定していた時間をオーバーしてしまいましたが、みんな熱心に聞いていました。
人の鑑賞ポイントを聞くと新たな視点となったのか、記念写真を撮った後にもう一度美術館に戻る生徒もいました。

 

 

わたしが最初にこのツアーを企画した時には、自分にとって初めてのことばかりでどうなることかと危ぶむ気持ちもありましたが、そこはみんな美術が好きなぱおの生徒たち。
積極的に話にも参加してくれてとても盛り上がったと思います。


このひろしま美術館の展示は3月20日までですが、新たな展示がされればまた皆さんと一緒に鑑賞ツアーに出かけたいです。


広島市には現代美術館も県立美術館もありますし、おもしろそうな企画展があればギャラリーなどにも出かけて実際の作家さんからお話を聞けたら楽しそうですよね。
これからも企画ができた時にはぜひ奮ってご参加ください。

 


青山仁久 受験科・おとなクラス担当