アイコン
アトリエぱおとはBlog

イラスト:リンゴ

イラスト:絵具と人物

会員さんへのお知らせ展覧会 2024.09.28

〈広島市ピースアートプログラム アート・ルネッサンス2024〉開幕しました。

〈広島市ピースアートプログラム アート・ルネッサンス2024〉開幕しました。
 
アート・ルネッサンス2024は、障がいのある方々の公募作品展です。
2001年に始まり、今年で23回目を迎えるこの展覧会は、アーティストのありのままの表現を尊重し、その魅力に共感し支援する環境づくりを応援してきました。
障がいのある方々のアートが社会でより広く認識される中、「自由で多様なアート」をテーマに、個人制作部門と共同制作部門から集まった488作品の中から厳選した123作品を展示します。
アートの可能性が広がるこの展覧会で、彼らの表現の楽しさと魅力を感じていただき、他者との関係性から生まれる新たなアートの可能性に触れてください。
皆さんにお会いできることを楽しみにしております。(広島市ホームページより)
 
開催期間:2024年9月28日土曜日から10月6日日曜日
10時30分から18時30分まで(初日は11時から)
会場:合人社ウェンディひと・まちプラザ北棟4階ギャラリー
広島市中区袋町6番36号
入場無料
 
以下は、本展の審査員を務める加藤宇章(アトリエぱお代表)が、開会式で入賞者のみなさまにむけて挨拶をさせていただいた全文です。
長文ですがどうぞお読みください。
 
・・・・・
第23回アートルネッサンス展に寄せて

このたびは、アートルネッサンス展において、約4倍の入選倍率を突破しての入選・入賞、おめでとうございます!
アーティストご本人はもちろん、ご家族やサポーターの皆さんもとても喜ばれていることでしょう。
今年も皆さんの個性豊かな素晴らしい作品に触れることができ、私たちも本当に嬉しく思っています

さて、この展覧会も今年で第23回を迎えました。
実は私、第一回展を観客として見に行っていました。
当時はまだ応募数も少なくて、チラシの裏紙を使った様なシンプルな作品もありましたが、描くことの喜びや、表現したい気持ちが作品から伝わってきて、アカデミックな美術教育を受けてきた私も、枠にとらわれない自由な発想に驚いたのを覚えています。

第2回からは、審査員として運営にも関わることになりましたが、この間に年々応募数も増え、作品の質もどんどん高まってきました
例えば、藤崎莉里花さんの「ほえる!リリロペちゃん」のようにデジタルツールを使いこなした作品や、長年描き続けることでどんどん進化している鬼頭純平さんの「モデル」、シンプルな線描でも下地に工夫が凝らされたカミジョウミカさんの「ジョーモンさんはゆとりです」など、技術や表現のレベルがどんどん洗練されてきています。
これも、アーティストの皆さんの努力はもちろん、ご家族や施設、学校のサポートの賜物だと思います。
さらに、コロナ禍を乗り越えて20年以上続けてきた展覧会の運営チームの情熱が、この展覧会を「福祉イベント」から「本格的アート展」へと成長させた大きな要因でもあると感じています。
私もパラアートの黎明期を伴走できて幸せでした。

最近では、障がいに対する理解も進み、適切なサポートがあれば、障がいのある方々も健常者と同じかそれ以上の能力を発揮するという認識が広まってきました。
パラアートという新しい芸術の枠組みが確立されつつあり、原画の二次利用やコレクターなどの市場も育ち始めています。
今年のパリパラリンピックでも、アスリートたちが困難を乗り越えてスポーツに挑む姿が多くの人に勇気を与えましたが、アートも同じように、人々の心を動かし、障がいのある方々の可能性を広げる力があります。
皆さんが楽しんで作った作品が、多くの方に温かさや勇気を届けてくれています。
厳しい社会状況の中で、アートの力はますます必要とされており、皆さんもその一翼を担う存在です。

改めて、心からお祝い申し上げます。これからの創作活動とサポートを、どうぞ楽しんで続けてください。
ありがとうございました。

加藤宇章