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アトリエぱおとはBlog

イラスト:リンゴ

イラスト:絵具と人物

やすこ先生の、子育てのヒントプチクラスキッズクラス・ジュニアクラス 2020.12.16

クリスマスに絵本の贈り物を

 

「かいじゅうたちのいるところ」

クリスマス、冬休みと、楽しみなことが

たくさん待っていたはずなのに コロナ自粛要請が出て、

家で過ごす時間が また増えてきそうな年末です。

そんな時こそ 絵本のとびらをあけて 冒険しませんか。

 

初版が1963年といいますから ずいぶんと長い間

世界中の親子が この絵本を手に取っています。

その魅力は 紙面いっぱいに書き込まれた絵とお話が

迫力をもって私たちの心を楽しませてくれることですね。

 

家の中で大暴れして遊んでいた主人公のマックスは

お母さんに叱られて自分の部屋に入れられて、

晩御飯抜きになってしまいますが、反省もしないで

ひとり その部屋の中で想像の冒険の旅にでます。

部屋の窓から見えていた月は 

そのままジャングルで見る月に。

床は海のようになり マックスは船に乗って旅を続け、

たどり着いたところは かいじゅうたちのいるところ。

暴れん坊のかいじゅうたちを マックスは

魔法で手なずけ、思う存分いっしょに騒いで遊びます。

 

さて この絵本の一番のみどころの、

かいじゅうたちとマックスが 楽しそうに飛び跳ねたり

行進しているページが6ページにわたって続いていますが 

どこにも文字が書いてありません。

あなたはそのページをどんな風にこどもと読みますか?

 

私がこどもと一緒にこのページを開くときは

「ほーい!ほーい!」と声をだしてみたり

どしんどしんと足踏みをして床をならしたり、

ジャンプしたり、身近にある音の出るおもちゃをならしたり、

にぎやかに 心のままに その数ページを体感します。

 

マックスのように 朝から晩まで 元気いっぱいで

思うままに遊び、空想の世界を飛び回る。

私たちは 言葉だけにしばられない表現があることを

こどもの時は知っていましたが、

大人になると薄れてしまい こどもも自分もいつのまにか 

見えない枠にはめてしまってはいませんか。

その 失われてしまった感覚を 

この絵本は 大人に思い出させてくれます。

 

日常生活の中で 感染予防に努めているこども達。

ぜひ絵本の世界で 冒険の旅に出させてあげてください。

 

アトリエぱおは この2020年、

コロナとの時代をいかに進み こども達の創造のエネルギーを

失わせない、止めさせないことを考えて歩んできました。

こどもの世界を大切に守るためにも

よい絵本にこども達がたくさん出会い、こころに栄養を

貯めていってほしいと願っています。

 

畠山 泰子

 

* * * * * * * * 

「かいじゅうたちのいるところ」

作: モーリス・センダック

訳: じんぐう てるお

出版社:冨山房