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やすこ先生の、子育てのヒントプチクラスキッズクラス・ジュニアクラス中高生クラス・おとなクラス 2023.06.11
雨でもたのしい家読書
アジサイの花がきれいに咲き始めましたね。
今年は梅雨入りが早く、最近は時季外れの暑さや大雨に見舞われたりと、
季節感が薄くなってきていますが、こどもたちには、
こよみや季節感のあるものに触れて、日本ならではの、
四季を感じるきっかけがあるといいなと思っています。
では、これからの季節にぴったりの絵本をご紹介します。
対象年齢はちいさなこどもから、順に上がっていきます。
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『わたしのかさはそらのいろ』
あまんきみこ作 垂石眞子絵
福音館書店
お母さんに買ってもらった、晴れた日のそらいろの傘。
おんなのこは嬉しくなって、傘をさして歩いていると、
『い~れ~て~」と、こねずみやこじか、ちょうちょやすずめなど、
傘の中がいい天気なのでみんな集まってきました。
そのうちにかさはどんどん大きくなって…と、
さあどうなっていくのかな、
読んでいてワクワクしてきます。
きっとあなたもそらいろの傘が欲しくなりますよ。
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『あまがえるのたんじょう』
たてのひろし作 かわしまはるこ絵
世界文化社
「あまがえるのかくれんぼ」「あまがえるのぼうけん」
との人気シリーズの中の一冊です。
生物画家の目で長年にわたって観察した
アマガエルの成長を、こどもにも大人にもわかりやすく
とても美しく描かれています。
まだ暗い水の中で産まれたたまごや、水中の世界、
カエルになって水上の世界へ上がってくるまでには、
多くの敵が現れて、生き残るのはほんのわずか。
でも彼らは楽しくにぎやかに、
命輝ける自然世界を楽しみます。
毎年、観察画に取り組んでいるぱおっこには、
ぜひ手に取って、
写実に描かれた絵をじっくりと、堪能してほしいです。
💧 💧 💧
『雨ニモマケズ』
宮沢賢治 作 柚木沙弥郎 絵
ミキハウス
4月に私は宮沢賢治のふるさと 岩手県を旅しました。
途中、山形の盛岡では桜が咲いていましたが、
北上して岩手に入ると、まだ風は冷たく、
雨になるとさらに凍えるようで、
この地で賢治がこの詩を心でつぶやいていた情景が浮かんできて、
彼の心情に触れられたような気がしました。
厳しい自然や環境と、自分が置かれた状況に、
ひとは苦しみ抵抗も試みながらも、
どうにかやり過ごして今日を生きなければならない。
その情景を、現役真っただ中の100歳を超えた作家が、
とても明るく、親しみやすく描いています。
ぜひ雨の日に、おうちのみなさんで
声に出して読んでみてくださいね。
畠山 泰子