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やすこ先生の、子育てのヒント 2023.08.12
8月は失われた人々を想うとき
写真絵本 「ヒロシマ 消えたかぞく」
指田 和 著 鈴木六郎 写真 ポプラ社
この本は鈴木さんというご一家の
家族写真から構成された写真絵本です。
登場する家族は 昭和20年8月6日のあの時まで
戦時下ではありましたが、仲良くほがらかに
ひろしまで暮らしていらっしゃいました。
私たちと同じように 日常のなかでこどもの成長を
写真に残していくことが喜びだったことでしょう。
でも 猫をおんぶしているこのおんなのこも
おとうさんもおかあさんもおにいちゃんも
おとうともいもうとも みんな原爆で亡くなりました。
そのことを読んだ後で知り、この失われた人たちの
当然のようにあるはずだった輝かしい未来が
ピカと呼ばれた爆弾で、奪われたしまったことを
こどもと一緒に想う時間が持てるといいなと思います。
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「ひろしまのピカ」
丸木 俊 文・絵 協力 丸木 位里 小峰書房
今度は絵で見る原爆の絵本です。
絵だからこそ こどもも読めるのだと思います。
絵に描くことで 体験をしていない私たちに
その恐ろしさ、つらさ、悲惨な状況を
現実に起こったこととして伝えてくれています。
怖いけど 見入ってしまう絵で表現された原爆投下は
人がおこした最悪の出来事として、
どうしても後世に伝えていかなければなりません。
原爆と言う言葉がまだ一般的でなく
ピカっと光って投下されたので ピカ、
と呼ばれていたことを知らない人が増えてきました。
生き延びても差別や偏見にくるしんだ人々が
たくさんいました。
どうして原爆に遭ったのに
そんな無理解に苦しまなくてはならなかったのか。
どうして仲良しの家族の命が奪われてしまったのか。
写真や絵から何かを感じ、想い、想像することが
私たちがこどもたちと分かち合い、
一緒に考える「戦争」だと思います。
畠山 泰子