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やすこ先生の、子育てのヒント 2022.05.26
絵本「ペレのあたらしいふく」
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絵本「ペレのあたらしいふく」
これは 美しい絵が紙面いっぱいにあふれた絵本です。
表紙に描かれている男の子のペレは、いつもこひつじの世話を、自分でしています。
ある時、自分の服の丈がみじかくなったのに気が付き、こひつじの毛を刈り取って それを使ってさまざまな人に手助けをしてもらいながら新しい服を作っていくお話です。
読み進めると、なるほどそうやって一着の服は手作りされていくのか、と、
こどもだけではなく、おとなも大変感心するような素敵なお話です。
原作者のベスコフがスウェーデンの自然をやさしく誰にでもわかるように丁寧に描いています。
表紙にあるのは黄色い花、まだ毛の短いこひつじ。
ページをめくると、だんだんと毛が伸びてくるひつじや、
色とりどりの花々、牛や糸車、暖炉など、素朴な生活が手に取るようにわかります。
ぜひ、こどもが じっくりと絵を見れるようにこの絵本を広げ、たっぷりと観察してほしいですね。
アトリエぱおのプチクラスでは「花の観察画」に取り組んでいます。
一本の花をじっくり見て、その複雑な自然の造形をよーく観察して、筆で色付けをします。
「選んだお花をよく見てごらん」と声をかけると、
こどもは 目を大きく開いてゆっくりと見つめます。
その集中力、大切にしていきたいですね。
さて、お話のペレは、新しい服を仕立てるために自分で出来ることは自分で、
未だできないことはおばあさんやペンキ屋さん、仕立て屋さんにお願いし、
その代金のかわりにそこでお手伝いをできるようなしっかりした男の子です。
それはペレが望んだからできたこと。
こどもは、自分で出来ること、やりたいことは自分で見つけてこそ、成し遂げられるのです。
そのこともペレは教えてくれていますね。
畠山泰子
「ペレのあたらしいふく」
エルサ・ベスコフ 作絵
おのでらゆりこ 訳 福音館書店