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やすこ先生の、子育てのヒント 2023.01.24
作って、描いて、楽しんで。
アトリエぱおは3学期となり、
こども達の成長を日々実感する季節になっています。
レッスンを積み重ねてきたかれらは、
絵の具の筆先をきれいにそろえて塗れるようになり、
絵筆のバケツに水を入れて運べるようになりました。
雑巾を濡らしてしっかり絞れるようにもなりました。
講師のことばや作業の仕方をじっとみつめて、
すぐに自分もやってみようとする姿は頼もしく、
保護者にも聞いてきたことをしっかりと伝えています。
また、手に絵の具がつくのが苦手だった子も、
大きな画用紙に思いっきり手を広げて、
絵の具で遊べるようになりました。
その時の表情は無心で、とっても気持ちよさそう。
みんな、目で見て、しっかり聞いて、
手や指を使って表現を楽しみ、喜びに満ちています。
少し大げさにいえば、
生まれてきたこと、生きていることを、
楽しんでいるようにも見えてきます。
そんな作る楽しさを知っているこどもは幸せです。
描く、切る、貼る、塗る、そのための素材を見つける、
いつも何か作りたい、描きたいと思っている。
その自ら作り出したいという気持ちはとても貴重ですね。
造形に限らず、料理、洋服づくりや、建築にも、
その気持ちが基礎になっているのではないでしょうか。
いきいきと活動しているこどもたちが、
どんな将来を築いていくのかなと、
そばで応援しているあなたとともに、
講師たちも夢を見させてもらっています。
いまは、こども時代を豊かに過ごしていても、
やがて来る思春期には、自分の内面と向き合い、
周りと自分との関係に、
悩んだりぶつかったりすることもあるでしょう。
言葉では表現できない思いを抱えて過ごす夜も、
外に出たくないと思う朝もあるかも知れません。
そういった「さなぎ」のような時間の中で
こども達は思いだし、気づくかもしれません。
自分らしく過ごせる時間、自分が心から楽しめることは
どこにあるのかな。
やがてきれいな蝶となって羽ばたいてくれるために、
時間がかかってもじっと待つときもやってくるでしょう。
「描いて、作って、できた!」を何度も経験した、
しあわせなこども時代を心に抱いて、
次の一歩を踏み出してくれると願っています。
畠山 泰子