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アトリエぱおとはBlog

イラスト:リンゴ

イラスト:絵具と人物

やすこ先生の、子育てのヒント 2024.05.11

絵本 ねこのオーランド―

絵本『ねこのオーランドー』~一緒にキャンプに行きたいねこ~

キャスリーン・ヘイル作・画 脇 明子訳
福音館書店

 

マーマレード色のねこのオーランドーは、
お肉屋さんでネズミ捕りの仕事に、
日夜励んでいる働き者のお父さんねこです。
ネズミ捕りは365日お休みがありません。
そこで家族で夏休みをもらえるようにと、
お肉屋さんにお願いして、
奥さんとこども達と車で出発します。
途中でおいしいミルクをおばさん牛から
もらったりしながらキャンプに出掛けるのです。

キャンプ場では、
オーランドーはこねこたちに、
ねこのひげを使っての魚釣りを教えますし、
みんなでスケッチして風景画を描きます。

夜になるとキャンプファイヤーを囲み、
ギターやハープを奏でます。
人間とおなじような、でもねこならではの
アイデアや流儀でキャンプを満喫します。
さらにオーランドーたちが留守の間、
ネズミ捕りに追われているお肉屋さんに
みんなで絵ハガキを出したりするあたり、
とても律儀で見習いところです。

こねこたちは水の中の生き物を観察したり、
けむしと遊んだりもします。


読みながら、どれをまねしてやってみたい?
と、こどもたちと相談するのも楽しそうですね。
カラフルで楽しそうなねこ達の様子が
大型の絵本いっぱいに広がります。

この「ねこのオーランドー」はシリーズ化され、
オーランドーは海に行ったり、裁判官になったり、
さびれた農場を買って経営を立て直したりと、
おもしろい作品がたくさんあります。
問題が起きても前向きに解決しようとする、
たのもしいお父さんねこにいつも感心させられます。

こどものためにと読んでいるうちに、

大人の方が気づきがあったり、励まされたりするのが
いい絵本との出会いの醍醐味ですね。

今度の週末お天気に恵まれたら、ほんの1時間でも、
子どもと一緒にこの絵本を持って出かけませんか。
近くの公園で一緒に遊び、そこで絵本を読む時間は、
子育てのときしか訪れないかけがえのない瞬間ですよ。

畠山 泰子